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浦和地方裁判所 昭和50年(わ)1064号 判決 1976年11月18日

本籍

埼玉県春日部市大字上蛭田六四一番地

住居

右同所

会社役員

横山博義

昭和七年二月二八日生

右の者に対する所得税法違反被告事件について、当裁判所は検察官井口衛出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人を懲役六月及び罰金六〇〇万円に処する。

右罰金を完納できないときは金二万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判の確定した日から二年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、埼玉県春日部市大字上蛭田六四一番地に居住し、同所に事務所を置き、第一土地の商号を使用して不動産の売買及び仲介業を営んでいるものであるが、所得税を免れようと企て、昭和四七年中における実際総所得金額が七、七二五万五、八二七円で、これに対する所得税額は四、五一四万二、八〇〇円であるのにかかわらず、不動産の売買取引を第三者名義で行い、その売買代金の支払い及び取立てに第三者名義もしくは架空名義の銀行取引口座を使用するなどの方法により、営業売上金額の一部を除外するなどの行為により、所得を秘匿したうえ、昭和四八年三月九日、同市大字粕壁字浜川戸五、四三五番地の一春日部税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が三、六〇八万一、四一五円で、これに対する所得税額は一、七八〇万五、四〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、確定申告期限である同月一五日を徒過し、もって不正の行為により右年度分の正規の所得税額と右申告税額との差額二、七三三万七、四〇〇円を免れたものである。

(証拠の標目)

一、被告人の当公判廷における供述

一、第二回公判調書中の被告人の供述部分

一、被告人の検察官に対する供述調書

一、被告人に対する大蔵事務官の質問てん末書八通

一、被告人作成の答申書六通

一、寺門好雄、会田数雄、栗原幸穂の検察官に対する各供述調書

一、春日部税務署長加藤茂夫作成の証明書二通

一、下総昇、和田治夫作成の各証明書

一、大蔵事務官作成の調査書七通

一、次の者に対する大蔵事務官の質問てん末書

平塚和子、鈴木勇司、森田六年、加藤竹次郎、折原良

一、次の者ら作成の各答申書

内田俊雄、甲本尚久、玉谷睦夫、遠藤博、金子七十吉、小鳩正吉、三本藤吉、野口幸雄、当間福蔵、鈴木譲一、須賀栄一、遠藤政吉、瀬戸喜八、山崎十一、岩浪博、内藤弘吉、遠藤博、原田重治、遠藤喜美、市橋市太郎、深井格三郎、鈴木信太郎、山崎萬寿雄、岩井みね、山下文男、北原有良子、山口昇作、山崎明治、島村亀次、江辺昭平、新井喜市、安藤幹弘、関根喜一郎、関根潔、中山つる、中田とよ、織田誠一、清水喜哉、株式会社大進商事、小島六右エ門、沢田良夫、長谷川登、根本正義、酒井昇一、坂巻一元、岡田道三、八十岡正次郎、外山誠一郎、大塚弘満、飯塚剛雄、山口昌夫、丸山幸一、田村セイ、中沢弘之、金子立次郎、中村浜蔵、梅谷亨典、村上政信、永瀬亮三、関根正弘、松本啓、逸見重夫、瀬戸喜八、飯野幾男、白戸次男、関根和栄、高橋靖、岩本喜吉、佐藤博文、福本良平、寺門好雄、斉藤勇、鶴田光衛、井上孝一、関根寛治、大塚兼男、中島平、関根しづ、渡辺平

一、大蔵事務官作成の大光相互銀行大宮支店調査関係書類と題する書面

(法令の適用)

被告人の判示所為は所得税法二三八条一項、二項に該当するので、情状により懲役刑と罰金刑を併科することとし、その所定刑期及び同条二項の金額の範囲内で被告人を懲役六月及び罰金六〇〇万円に処し、右の罰金を完納することができないときは刑法一八条により金二万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置し、情状により同法二五条一項を適用してこの裁判の確定した日から二年間右懲役刑の執行を猶予する。

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 北野俊光)

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